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2021/07/08

ふくのねパートナーさんインタビュー!①水口木材㈱ 水口豪士さん・実穂さん

ふくのねプランを提供していただいているパートナーさんにインタビュー!今回は記念すべき第一弾!お話を伺ったのは水口木材㈱さんです。ふくのね体験プランを通して伝えたいことやその根底にある想いなどをじっくりとお聞きしました。

水口木材㈱さんについて

福井市街地から車で10分ほど。緑が美しい山々や田園に囲まれた東郷地区に、水口木材㈱さんの製材所はあります。水口木材㈱さんは福井県内で木材流通業と製材業を営んでいます。今回インタビューに応じてくださったのは、代表取締役社長の水口豪士さんと水口実穂さんです。

↑暑すぎるほどよく晴れた日でした。

↑水口さんご夫妻。木材とともに

 体験プランについて

水口木材㈱さんでは、

・スウェーデントーチ(丸太に火をつけて焚火を楽しむアイテム)

・椅子づくり

・時計/マグネット/ペンダントづくり

など、福井県産材を使ったプランを体験することができます。

↑この日は取材とともに椅子づくりも体験させてもらいました。こちらの体験レポートは追って!

――ふくのねプランを出した経緯について教えてください。

水口豪士さん

基本的にはBtoBのサービスなので、これまでは、木を使っている一般消費者の方にお会いすることはほぼありませんでした。最終的に木を使っている人はどんな思いをお持ちなのか、また木を使いたいと思っているのかどうかなどを知りたいと思ったのがきっかけです。

――BtoBの業態でも、BtoCの視点も取り入れたいという思いがあったのですね。水口さんは県産材を使った3つのプランを出しているかと思うのですが、プランを提供するうえで意識していることや狙いについてもお聞きしたいです。

水口豪士さん

一つは木について知ってもらう、また使ってもらうきっかけを作りたいという思いがあります。例えば、今家のなかで木が見える部分はどこにあると思いますか?あったとして窓枠や、ドアくらいではないかと思います。最近は木の木目を再現したシートが貼られていて、木材を使っていないケースも多いです。

人は木とともに生活をしてきたのですが、現代ではどんどん人々の生活から離れていっている、遠のいていっています。そうした現状に対して、少しでも木を使ってもらうために、こんなものがあったらいいなというものを作っています。体験では、木に触れて、においをかいで、音を聞いて、五感をフルに活用してもらえるよう意識していて、作った物もただのインテリアではなく実用性の高いものにしています。

また、木材屋だからできる木工体験にこだわっています。例えば、工務店さんだからできる体験だったら、写真たてにタイルを張ったり、ガラスを使ったりという内容になるかもしれません。ただ、うちで扱っているのは木材そのもの。純粋に木材で勝負しているのは我々だけなんです。ですので、木に触れてもらうことを最重要視しています。

水口豪士さん

また、ものを作るという体験も減っていますよね。体験ではハードルを下げて、ものを作るきっかけになればいいなと思っています。

例えば椅子づくりでは、くぎ2種類、長さが異なる角材3種類しか使いません。もしかして500年前も作られていたかもしれません。とてもシンプルです。

時計作りなら、こういうムーブメント(針を動かす部分)があって、針をさして、時計ができるんだということを体験を通して知ってもらいます。自分でつくるからこそ、そこに驚きや感動があります。

また、木はあえて仕上げの作業を行っていません。やすりがけもお客様にしてもらっています。やすりがけをすると木のくずが舞い、その時にちょっと木の香りがするんです。そうした作業も木を感じてもらう大事な瞬間です。あと、磨きは大事です。自分を磨くための練習といっても過言ではありません。人生における磨きの最初のとっかかりとして!(笑)

水口実穂さん

早い子だと、さーっと磨いて「できた!」って言うんですけど、 「それ、まだざらざらでしょ」とツッコミを入れることもあります(笑)

――やすりがけは自分磨きの最初に一歩なのですね(笑)たしかに、そうした一つ一つの作業が現代人にとって新鮮で、気づきをもたらすものなのかもしれません。実際、プランを提供されてみていかがでしたか?

水口豪士さん

だんだん体験をやっていくうえで、やっぱり木は必要であり、木があるとすごくリラックス、人の生活を豊かにすることを感じました。木材屋からすると木を使うことは当たり前なのですが、他の方はマンションやアパートに住んでいて木の良さを知る機会もないと思うんです。木の良さや温かさを再確認してもらうために、継続していかないといけないという「使命感」に変わっていきましたね。

水口実穂さん

皆さん原体験というか、「木ってやっぱりいいな!」と思いたいから体験にくるのではないかと思っています。実際、お越しくださる方は十中八九「良い香りがする」と言ってくれます。それは理屈ではなくて、心からよいと思ってくれているからだなと感じます。

そうしたお客様の反応を見ると、通常の業務の自信にもなります。こちらはいいものと思って木を販売していますが、やはり木はやはりいいものなのだ!とお墨付きをもらえているような気がします。

――なるほど。体験プラン提供を通して、水口さんご自身も木への思いが深まったということですね。

水口豪士さん

そうですね。

――それでは、最後にふくのね体験プランの根底にある思い、あるいは体験を通して伝えたいことについて教えてください。

水口豪士さん

普段の生活をしていると、人間は絶対的な存在だと思ってしまいがちですが、蚊にも存在価値がありますし、人間も自然のうちの一つです。人間は自然に生かされていることを忘れてはいけないですし、だからこそ自然と共存していかないといけません。木は自然に触れるきっかけの一つになると思います。

また、体験で使っている木材は建築廃材です。焼却して二酸化炭素を排出して地球環境の悪化に貢献するよりも、少しでも商品にできるようにと考えています。もったいないですからね。近年はしきりにSDGsという言葉が使われますが、私としては「持続可能」ではなく「永続的」であることが重要であると考えています。今後もこちらから、そうした木や自然について知って、考えてもらうきっかけを生み出していきたいと思っています。

 

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